市販薬で治す
ニキビができたら、まず市販薬を使ってみるのはニキビケアのもっとも手短な方法と言えるのかもしれません。ただ、市販薬は実にたくさんの種類があって、何を選んだら良いのか判らないと悩まれたことはありませんか。
薬を選ぶ上で大切なポイントは、ニキビの状態を知ること、そしてそれに合った薬をさがすことです。ニキビの症状については、進行度合により幾つかの段階に分けることができます。また、ニキビ予防のために市販薬を使用したいと思われるかもしれませんが、医薬品は、原則としてニキビ治療薬と考えてください。ニキビ予防は、食事や睡眠などの生活改善、肌質改善、ニキビケア化粧品の使用など日常的な取り組みによって行うことが相応しいと言えます。
ニキビ治療薬の選択ですが、安易に自己判断で決めるのではなく、薬局で薬剤師に相談して、実際に症状に合った薬を選択することが確実で安全な方法と言えます。
炎症がひどい、いつまでも治らないなどの場合は、クリニックや病院で皮膚科専門医の診断を受ける必要があります。市販薬で治すのは、軽度のニキビなどで、明らかに医療機関で治療を受けるまでの必要はなく、手軽で費用負担も少なくて済むなど、セルフメディケーションとしてお薦めできる選択となります。
市販品のニキビケア
医薬品と医薬部外品、ケア化粧品の違い
ニキビ用ケアの市販品という大雑把なくくりで捉えると、医薬品から医薬部外品、そしてケア化粧品まで含まれます。そして、それぞれがニキビケアに良いと謳われています。こうなるとますます判りにくくなってしまいます。
医薬品
● 即効性の高い治療効果が得られる
● 症状がある程度進行していても治療効果がある
㊟ 薬剤師や登録販売者のいる薬局・ドラッグストアでしか買えない
㊟ 用法・用量の厳守 副作用の心配がある
医薬品は、国の法律(薬事法)によって定められています。その使用による治療効果が認められていて、容器・パッケージには、効能・効果が明記されています。
医薬品を販売することができるのは、薬剤師や登録販売者のいる薬局・ドラッグストアに限られています(なお、医薬品の種類に応じて通信販売などもできるようになっています)。
医薬品は、効果が明確に謳われている分、リスクも伴います。誤った用法・用量で使用することは絶対に避けなければなりません。例えば、早く治したいなどの理由から、大量に塗布をするなどによって、強い刺激で皮膚全体が赤く腫れ上がってしまったというケースもあります。
医薬部外品
● 比較的どこでも販売されている
● 副作用の心配はあまりない
㊟ 効き目が緩やかで即効性は期待できない
ドラッグストアやスーパー、コンビニなどで「医薬部外品」と表示されたものを目にされている方も多いと思います。医薬部外品は、医薬品ではないけれど厚生労働省が効果を認めた成分を含んでいるものが相当します。ただし、それによる効果が保証されるものではなく、効果は症状や個人差により異なります。即効性よりも、緩やかに症状を改善するものとなります。
ケア化粧品
● 化粧品の一つとして日常的に使える
● ニキビ予防の肌質改善の一つとして使える
㊟ 治療効果は期待できにくい
ニキビのケア化粧品は、化粧品としての用途が主となりますが、成分表示もされていますので、ニキビケアの一定の効果を知ることができます。「毛孔の詰まり予防」「皮脂分泌の抑制」「肌の保湿効果と新陳代謝の促進」など、どちらかというとニキビ予防に向いています。
ニキビ医薬品の主な成分と効能(一例)
知っておきたいニキビの進行度合とケア選択
市販のニキビケア用品でニキビ対策を行うとしても、ニキビの進行状態によって選び方が大きく異なってきます。例えば、ニキビが進行して炎症が酷く化膿している場合は、市販の医薬品を選ぶよりもクリニックや病院へ行くほうが良いと言えます。一方、初期の軽度のニキビならケア化粧品や医薬部外品、炎症箇所が少ない場合は市販の医薬品というような選択もできます。
微小面皰(びしょうめんぽう)
毛孔に皮脂などが詰まって角栓ができ、「白ニキビ」になる前の状態です。
→ クレンジング・洗顔・保湿を正しく行い、新陳代謝を促します。
ケア化粧品を有効に活用しましょう。
白ニキビ
閉鎖面皰(へいさめんぽう)とも言います。皮脂や古い角質などが角栓となって毛孔を詰まらせ、溜まった皮脂が白っぽい膨らみとして感じられる状態です。
→ まだ炎症は起こしていませんが、医薬部外品などにより、角質を柔軟にして毛孔の詰まりを防ぐとともに、皮脂分泌を抑制します。また、ニキビ菌が増殖するのも抑制します。
黒ニキビ
開放面皰(かいほうめんぽう)とも言います。毛孔に詰まった角栓が外に押し出され、外気に触れて酸化し、黒ずんだ状態です。
→ 白ニキビの時とほぼ同じですが、より効果の確かな医薬品により、角質を柔軟にして毛孔の詰まりを防ぐとともに、皮脂分泌を抑制します。また、抗菌作用のある成分でニキビ菌を抑制します。
赤ニキビ
赤色丘疹(せきしょくきゅうしん)の状態とも言います。毛穴に詰まった皮脂を栄養分とするニキビ菌(アクネ菌)がそこに増殖し、免疫細胞が働いて炎症を起こしている状態です(通常、この状態を「ニキビ」と言います)。
→ 赤ニキビの状態は、クリニックや病院での治療が望ましいのですが、数カ所程度であれば、市販医薬品での対処も可能です。医薬品には、「抗炎症作用」「ニキビ菌の殺菌・抑制」「皮脂分泌の抑制」などの効果が必要です。
効果の高い医薬品は、それだけ副作用などのリスクも伴います。使用は、1週間程度を目処とし、長期にわたっての使用は避けましょう。
黄(緑)ニキビ
膿疱(のうほう)状態とも言います。ニキビの炎症がさらに進み、膿が発生している重症状態です。
→ 市販医薬品(外用薬)だけでの治療は難しく、クリニックや病院で治療してください。
紫ニキビ
毛孔の中に、膿と血が溜まって腫れ上がった状態です。この後、ニキビ跡(瘢痕)が残ってしまう可能性が高いです。
→ クリニックや病院で治療してください。市販医薬品(外用薬)での治療はできません。
瘢痕治療は、治療法にもよりますが多くは保険外診療となります。そうした状態となる前に、早期のニキビケアを心掛けましょう。
お薦めニキビ医薬品
ニキビ・吹出物治療薬/化膿性疾患用薬の「タイワクムメルシエキ」は、副作用も少なく安全な上に、アクネ菌(ニキビ菌)の殺菌に加えて、「背中ニキビ」の原因菌となるマラセチア菌やニキビの化膿原因となる黄色ブドウ球菌の殺菌にも効果のあるホモスルファミンが配分されています。
「タイワクムメルシエキ」は、ニキビ初期段階での悪化防止から炎症状態のニキビの治療まで、幅広い段階でのニキビ治療薬として使用できます。
「タイワクムメルシエキ」は医薬品です。薬剤師や登録販売者のいる薬局・ドラッグストアでお求めください。